土砂水理学

土砂輸送理論や河床形態に関する講座です。全8回で解説します。

第1回 土砂水理学とは?

土砂水理学とは何なのでしょうか?


水理学というのは簡単に言うと水の力学です.液体や気体といった流れるものの力学を扱う流体力学の一分野で,特に水を扱う場合が多いため水理学と呼ばれています.水の力学の名前の前に土砂が加わるとどのような力学になるのでしょうか.それは河川の働きを見ると解かります.


川は単に雨水を流すだけの水路ではない?


河川のことを単に雨水を流すための水路と考えている人は案外多いのではないでしょうか.もちろん雨水を流すのも河川の重要な役割の一つですが,もう一つ土砂を流すという重要な役割を担っています.河川は山地の土砂を削り谷を刻んだり,削った土砂を下流に運んで扇状地や平野,河口三角州を作ったりという地形を作る働きをしているのです.


流れと地形の相互作用


流れは土砂を運んで地形を変化させます.地形が変化するとその上に生じる流れが変化します.流れが地形を変化させ,変化した地形がまた流れを変化させる.このように流れと地形はお互いに作用を及ぼしあうことによって地形を自ら形作っています.土砂水理学は流れと地形の相互作用を取り扱う力学なのです.


パターン形成と河床形態


水と砂のように異なる性質のものの境界のことを界面と呼びます.そしてその界面には流れと地形の相互作用によって,ときに様々なパターンが形成されます.特に河床に形成されるパターンを河床形態と呼んでいます.河床形態には小さなスケールのリップルから大きなスケールの砂州まで様々なものが存在します.その他にも蛇行や網状流路,チャンネルネットワークなど,全て水が土砂を侵食したり堆積させたりすることで自然と現れるものです.


この講座の目指すもの


この講座では河川の流れを対象に,河川を輸送される土砂の量や,それによって生じる河床変動をどのように見積もるのかを学びます.さらには,流れと河床,流れと地表面の間に発生するパターン形成現象を取り扱う方法を学びます.

講師:泉 典洋
  • 講師:泉 典洋
  • 【プロフィール】
  • <所属>北​海​道​大​学​大​学​院​工​学​研​究​院​ ​環​境​フ​ィ​ー​ル​ド​工​学​部門
  • <趣味>大量飲酒.偏微分方程式.

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