1. 流域地形データセットの取得

RRIは流域を対象とした計算モデルです。計算には同一格子形状で作成された以下のデータセットが必要になります。

  • 標高データ : 各セルの標高 [必須]

  • 集水ピクセル数 : 各セルの上流集水ピクセル数 [必須]

  • 落水方向 : 各セルの落水方向(1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128) [必須]

  • 土地利用種別 : 各セルの土地利用 [任意]

つまり、RRIで流出・氾濫計算を行う場合、計算前に対象とした流域について上記データを準備する必要があります。 ここではそれらデータセットを一式ダウンロードできる 「流域データ抽出」 サイトから取得します。

注釈

「流域データ抽出」サイトでは、日本全国の大小様々なスケールの流域について上記地形データセットを抽出・ダウンロードすることができます。 ダウンロードできるデータは、メッシュサイズ(1秒メッシュと3秒メッシュ)となっています。対象流域や現象に応じて、使い分けていただければと思います。

オリジナルデータは、東京大学、生産技術研究所の山崎大准教授らにより作成され、2020年9月時点で山崎大准教授のWebpageで公開されている「日本表面流向マップ」と「MERIT Hydro」のデータです。 「流域データ抽出」サイトでは、それらオリジナルデータから必要な流域のデータを抽出する機能を付与し、データを取得、利用できるようにしています。 そのため、データ自体は山崎大准教授のホームページに記載されているライセンスに準拠しているため、それらライセンスをご確認の上、データをご利用いただければと思います。

詳細はこちら

以下に取得手順を示します。

  • [1] 「流域データ抽出」 にアクセス

  • [2] STEP1:対象流域河道の下流端をクリックします。(下図は豊平川の下流端点です。クリックした位置にピンマークが表示されます。)
    ../_images/extract_basin_1_click.jpg
  • [3] STEP2:「検索」ボタンをクリックします。しばらく待つと[2]で指定した地点を下流端とする流域が表示されます。
    ../_images/extract_basin_2_extracted.jpg
  • [4] STEP3:「取得」ボタンをクリックします。[2]で抽出された流域の地形データセットをダウンロードすることができます。ダウンロードしたファイルを解凍すると以下データが格納されていることが確認できます。
    • dir_export.asc 表面流向データ(*)

    • elv_export.asc 水文補正標高(*)

    • hnd_export.asc 直近の河道からの相対高さ(*)

    • upa_export.asc 上流集水面積(*)

    • upg_export.asc 上流集水グリッド数(*)

    • wth_export.asc 河道幅(*)

    • ldu_export.asc 土地利用データ(**)

(*)各データの詳細については、 「日本域表面流向マップ」 、または、 「MERIT Hydro」 をご確認ください。

(**) 土地利用データは、RRIの開発者である佐山敬洋准教授(京都大学防災研究所)らが中心になって整備されたデータで、日本全国のデータがあります。データはRRI実行のための参考として貸与、配布許可いただいたもので、内容の正確性を保証するものではありません。ご利用は自己責任でお願いいたします。

  • [5] [4]でダウンロードしたデータは、QGISなどGISソフトで開き内容を確認することができます。RRIの計算には以下必須(3種類)+任意(1種類)のデータを利用します。

図 1 水文補正標高を可視化

図 2 表面流向データを可視化 値は1,2,4,8,16,32,64,128の8方向

図 3 上流集水グリッド数を可視化

図 4 土地利用データを可視化。土地利用を5種類に区分している。