Nays2DH初心者です。動作を理解するため、単純な条件で実験しておりますが、理解できない結果を得ましたので質問させていただきます。
幅10m、長さ100m、勾配0.001、下流端標高0mの単純な水路に1m正方格子を設定し、全面移動床、流量10m3/s、上流からの砂供給はなし、境界条件、初期水位は等流計算の条件でアドバンスモードで計算すると、上流端の河床がじわじわ低下し、下流に影響していく結果となります。上流端の河床高は10000秒で-0.4m程度まで下がります。これは理解できます。
次に、上流端から4m区間に固定床高さ0mポリゴン、下流端から6m上流に標高マイナス0.1m×流下方向3m×川幅一杯の地形高ポリゴンによる窪みを作り、上記と同じ条件で計算すると、まずは上流端が0mまで河床低下し、下流の窪みは埋まります。これは予想通りです。
さらに計算を続けると、上流から河床高0mが移動床部分まで伝播し、次第に下流まで河床高が0mになっていきます。上流端から5m下流の移動床区間に入ると河床高が0mより低下すると予想していましたが、そうはなりませんでした。しかし、護床工のような効果だとするとこれもまあ理解できます。
理解できないのはこの後です。河床高0mが下流端近くのもともと-0.1mの窪みを作っていた部分に達すると、この部分の河床が低下してマイナス0.1m程度まで下がります。またその下流部のもともと窪みではなかった部分は河床高0mになります。
下流部分の窪みは地形高で作成しており、移動床に設定されていますので、一旦埋没した後は前後の河床と同じ状態だと理解しておりますので、窪みの直上部と同じように河床高0mになるはずだと予想していました。
なお、もしやと思いプリプロセッサで「格子点の属性-固定床高さ」を確認すると、固定床高さでポリゴンで指定した上流端以外の部分も固定床高さ0mに設定されていました。この状態も予想しておりませんでした。
これらの状態・動作をどう理解すれば良いのかご教示いただければありがたく存じます。よろしくお願いいたします。プロジェクトを添付ファイルとしてあります。長文失礼いたしました。
コメント
こんにちは
すべてのマッピングに共通ですが、ポリゴン設定していない空白地帯には、それぞれの初期値がマッピングされます。
※「固定床と移動床」は移動床、「マニング粗度」は0.03等
なので、固定床高にはすべて「0m」が設定されたのだと思います。
また、固定床高が「0m」であっても、初期の地形高が「0m」よりも低ければ、その値が固定床高さとして更新されます。
なので、固定床高はほぼ0mで平らですが、下流端付近に窪みがある固定床の上に、勾配のついた移動床が載っている状態で計算されているようです。
参考になれば幸いです。
ご回答くださりありがとうございます。しかし、格子全体には明示的に「移動床」と設定しており、固定床高さを設定したのは上流端数mのみなのです。また下流端の窪み部分は確かに仕様がご説明通りであれば不思議ではなくなりますが、格子点の属性ー固定床高さを確認すると全面に0mが設定されています。この状態はオブジェクトブラウザーの地理情報で設定した状態とは異なっています。
ただ、この問題はNays2DHの問題ではなく、iRICのプリプロセッサの問題ではないかと思い至りましたので、質問カテゴリを変えて再度投稿してみようと思います。ありがとうございました。
一般カテゴリで「地理情報のマッピングの不審な挙動について」という質問をし、その回答を得て若干の検証計算を行った結果、Nays2DHの仕様として以下のルールであることが理解できました。サポート下さり感謝いたします。
1. 一部にでも「固定床高さ」が設定されていると、「固定床と移動床」の設定には関係なく全体が固定床となり、固定床高さを明示的に設定していない部分には固定床高さの最大値が設定される。
2.「地形高」が「固定床高さ」より低い場合、その部分の固定床高さは地形高の高さとなる。ただしプリプロセッサの「格子点の属性」ー「固定床高さ」には反映されない。