Nays2Dvの日本語版計算事例集に、計算例6として塩水楔の計算事例がありますが、この事例では差分計算方式は流速、密度の移流項ともに風上差分を選択しているようです。「令和版現場のための水理学」を見ると、風上差分は計算は安定するが数値拡散発生するということで、数値拡散の影響が小さくなるCIP法が紹介されています。
となると、塩水楔の計算もCIP法を用いれば風上差分より精度の良い結果が得られるのではないかと思い、計算例6記載の他の計算条件はそのままで差分計算方式の2項目のみCIP法を選択して計算すると、計算が途中で止まってしまいました。「Calculation is Falure (Nan found)」と書かれますので、計算のプロセスで計算のどこかの分母にゼロが入ってしまったのかしらと思います。
塩水楔と似たような計算事例として、計算例2の密度の異なる流体の混合ではCIP法が選択されていますが、こちらはすんなり計算されているようです。計算を進める上の違いがあるのでしょうか。教えていただきたくお願いいたします。
コメント
hiroliy様
Nays2dvご利用ありがとうございます.
ご指摘の通りCIP法のほうが精度は高くなりますがその分安定性が低くなります.
風上差分で用いていた計算時間刻みΔtを相当小さくする必要があると思います.また解像度を上げるためにはΔz(鉛直方向の分割数)やΔx(流下方向の分割数)なども小さくする必要があり,これらを小さくするとさらにΔtを小さくする必要があります.
なお,単に計算刻みだけの問題ではない可能性もありますので,その点はソースのバグの可能性も含めて引き続き吟味して行きたい所存です.
よろしくお願いします.
清水康行