粗石付き魚道の水面形や粗度係数の推定値を流量別に検討しようとしています。そのため、簡易直線・蛇行水路生成ツールで実験水路に代わる単純な格子を作成して解析したいと思っています。そのとき、生成ツールで作成される格子をCSVでエキスポートしてそこに粗石を配置してデータを設定したいと考えておりますが、CSVファイルの項目の意味について教えていただければ幸いに思います。それらは、「X、Y、Z、N_Elevation、N_Elevation_zb、C_Obstacle、C_Fix_movable、C_vege_density、C_vege_height、C_roughness_cell、C_mix_cell」です。また、(x、y、z)は格子の中心でしょうか? それとも格子の端点でしょうか?
よろしくお願いします。
コメント
kurasige007903様
こんにちは
格子をcsvでエクスポートした際の項目は格子生成ツールによらず使用するソルバー依存です。
ソルバー側で定義されている計算に使用するための格子点やセルの属性が出力されています。
まず、格子csvについてはiRICのマニュアルの以下のページに記載があります。
iRIC User’s manual>関連ファイル>iRIC 格子CSVファイル (*.csv)
https://iric-gui-user-manual.readthedocs.io/ja/v4_jp/06/07_grid_csv.html
せっかくなので少し詳しく解説しますと。
1行目と2行目には出力した格子の格子点のI,J,K方向の格子点数が書かれています。
3行目がヘッダ行、4行目以降がインデックスに対応した属性値となっています。
問題の出力されている属性についてですが、こちらは格子を作成した際にiRICのオブジェクトブラウザーに表示される”格子”以下の属性と対応しています。
今回はNays2DHを使用されているようでしたので以下の画像の項目と対応しているということです。
https://i-ric.org/webadmin/wp-content/uploads/2025/07/2025-07-17_08h37_01.png
1~3列目はI,J,Kのインデックス(iRIC上では1スタートですがCSVだと0スタートなのでご注意ください)
4~6列目は対応する格子点の座標です。
7列目以降は属性値となり、属性名の先頭についている大文字がどの要素の属性かを示しており、”N”は格子点、”C”はセルを表します。
(Nays2DHにはありませんが”I”はI方向エッジ、”J”はJ方向エッジを表します。)
それぞれの属性については以下の通りです。
N_Elevation:地形⾼(m)
N_Elevation_zb:固定床⾼さ(m)
C_Obstacle:障害物セル(0:通常セル、1:障害物)
C_Fix_movable:固定床と移動床(0:移動床、1:固定床)
C_vege_density:植⽣密⽣度(m-1)
C_vege_height:植⽣⾼さ(m)
C_roughness_cell:マニングの粗度係数
C_mix_cell:河床材料粒度分布
属性の内容についてはNays2DHのマニュアルを御覧ください。(p53~あたりです)
https://i-ric.org/download/%e3%82%bd%e3%83%ab%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%82%a2%e3%83%ab/
セルは格⼦点よりI、J、K ⽅向ともに1 つ少ないため、セルの持つ値についてはI 、J、K 最⼤のインデックスにダミー値として0が⼊っています。
また、注意点としてExcelでcsvを編集する場合、保存の際に表示されている桁数でデータが上書きされてしまうことがあります。
(実際は0.123123という値に対してExcel上で0.123と表示されている状態で保存すると表示されていない桁以下が捨てられ0.123という値で保存されます。)
そのため作業、保存する際には十分な桁数を表示した状態で行うことを推奨します。
大変ご丁寧なご指導を頂きました。粗石付きの魚道を考えていこうとしていますが、これから、その基本的な枠組みを設定してIRICの解析から魚類の遡上ができる水理条件を検討していきたいと思います。ありがとうございました。