2020/12/5の応用生態工学会の発表会で、DHABSIMを用いた発表を行ったところ、同じiRIC上のEvaTRiPに対する比較をしてほしいという質問がありました。DHABSIMもEvaTRiPの魚類評価ルーチンも私達(山口大学 関根研究室)が開発したもので、EvaTRiPは旧来のPHABSIMと同等の評価法です。個々の魚種の生息場適性指標(HSI)が必要(HSIが知られていない魚ではコスト高)、瀬と渕のつながりの重要性を評価していないなどの弱点があり、ホタル幼虫やアユの産卵場の評価など、「移動が小さな特定の生物」の評価には良いですが、「動き回る魚一般」の評価精度はあまりよくありません。DHABSIMはHSIを必要とせず、地形や流量などの環境条件だけを用いて、魚一般にとって良い環境かどうかを評価するものです。PHABSIMの弱点を解決するための長年の研究に基づいて開発したもので、種を特定せず、工事後に多様な魚が住む環境になるかどうかを簡単に予測できます。それぞれに得失がありますので、使い分けていただければと思います。
コメント
関根先生、適切なフォローコメントありがとうございます。土木研究所 中村圭吾