いつもお世話になっております。 河床変動計算の際、固定床・移動床を設定すると、その境界に異常な洗堀・堆積(堆積88mなど)が現われます。何が原因か、解決法はあるか、など知見をいただきたいです。
計算も Calculation is Failure! で止まっている状態です。 ただ、計算が最後まで動いても、異常な堆積が発生する現象には何度か遭遇しています。
よろしくお願いいたします。
Nays2d+開発者の清水です。回答が遅くなり申し訳ございません。 お送り頂いたiproファイルを拝見しますと、流れの状況が相当な急流河川でフルード数もかなり大きい射流状態のようです。 Nays2d+は基本的には沖積河川用に開発されたもので、境界条件はすべて常流に対応したものとなっておりますので、基本的には水路全体が 常流状態の場合を想定しております。ただし、フルード数が若干1を越える状態とか、水路の1部で射流が発生しているような状態だと、計算可能な場合もあります。まずは常流となるような水理条件でお試ししてみてはいかがでしょうか? あと、ご使用になられてる計算格子ですが、かなりギザギザで、当然ですがギザギザの角で剥離流が発生するので、その場所で非現実的な洗堀が発生することがあります。まずは出来るだけ滑らかな格子でテストしてみてはいかがでしょうか? すなわち、このようなギザギザ水路で試す前に、もう少しスムーズな形状でテストすることをお勧めします。 まずは、最も安定した結果が得られそうな条件から初めて、徐々に厳しい条件に移行してくというような検討方法をお勧めします。 例えば、 常流状態、一定流量、スムーズな格子などからトライしてみてはいかがでしょうか?
清水康行
清水康行さま
お世話になっております。お忙しいところ、わざわざご回答いただきありがとうございます。 ご指摘いただいた通り、もっと安定した条件から徐々に計算を進めてみようと思います。 2点か追加で質問させてください。
・2D+ではなく2DHですと射流に対応していますか。 というのも、最終的には実河川にて洪水中の河床変動計算を行いたいと考えています。洪水中ですので、フルード数も1を超える箇所が発生してきます。 しかし、2dFloodだと河床変動計算に対応していない、また、橋脚が存在する区間なので、2DHより、2D+の方がもっともらしい答えが得られるかもしれない、 という考えから、基本的には2D+、場所ごとに粒径を変えて計算したいときは2DHを使う、といったことをしていました。 「実河川で洪水時の河床変動計算」を行うのに最も適当なソルバーといったものはございますか。
・「計算格子がかなりギザギザ」というのは、固定床、移動床の設定のことでしょうか。 計算格子自体は私の頭ではそこまでギザギザではないと考えていました。確認させてください。 ご確認いただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。
Nays2d+もNays2dHも上下流の境界条件以外は常流でも射流でも対応しておりますが、両者ともに境界条件の設定は基本的には常流を対象とした設定となっておりますので、射流に対応するにはソースコードレベルでの修正が必用です。 また両者ともに静水圧を仮定した水深平均モデルですし、流砂の計算も平衡流砂量を用いた計算ですので一般的に橋脚周辺の深掘れを表現するのは無理だと思います。 格子がギザギザと申し上げましたのは固定床・移動床の設定の部分です。 なお、ソースコードの改変を含む各種アドバイスやサポートはiRIC-UC会員向けに行っておりますので、業務でiRICご使用の場合は、是非ともiRIC-UCへの入会もご検討下さい。iRIC-UCのご案内はこちらからです。 https://uc.i-ric.org/ よろしくお願いします。 清水
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Nays2d+開発者の清水です。回答が遅くなり申し訳ございません。
お送り頂いたiproファイルを拝見しますと、流れの状況が相当な急流河川でフルード数もかなり大きい射流状態のようです。
Nays2d+は基本的には沖積河川用に開発されたもので、境界条件はすべて常流に対応したものとなっておりますので、基本的には水路全体が
常流状態の場合を想定しております。ただし、フルード数が若干1を越える状態とか、水路の1部で射流が発生しているような状態だと、計算可能な場合もあります。まずは常流となるような水理条件でお試ししてみてはいかがでしょうか?
あと、ご使用になられてる計算格子ですが、かなりギザギザで、当然ですがギザギザの角で剥離流が発生するので、その場所で非現実的な洗堀が発生することがあります。まずは出来るだけ滑らかな格子でテストしてみてはいかがでしょうか? すなわち、このようなギザギザ水路で試す前に、もう少しスムーズな形状でテストすることをお勧めします。
まずは、最も安定した結果が得られそうな条件から初めて、徐々に厳しい条件に移行してくというような検討方法をお勧めします。
例えば、
常流状態、一定流量、スムーズな格子などからトライしてみてはいかがでしょうか?
清水康行
清水康行さま
お世話になっております。お忙しいところ、わざわざご回答いただきありがとうございます。
ご指摘いただいた通り、もっと安定した条件から徐々に計算を進めてみようと思います。
2点か追加で質問させてください。
・2D+ではなく2DHですと射流に対応していますか。
というのも、最終的には実河川にて洪水中の河床変動計算を行いたいと考えています。洪水中ですので、フルード数も1を超える箇所が発生してきます。
しかし、2dFloodだと河床変動計算に対応していない、また、橋脚が存在する区間なので、2DHより、2D+の方がもっともらしい答えが得られるかもしれない、
という考えから、基本的には2D+、場所ごとに粒径を変えて計算したいときは2DHを使う、といったことをしていました。
「実河川で洪水時の河床変動計算」を行うのに最も適当なソルバーといったものはございますか。
・「計算格子がかなりギザギザ」というのは、固定床、移動床の設定のことでしょうか。
計算格子自体は私の頭ではそこまでギザギザではないと考えていました。確認させてください。
ご確認いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
Nays2d+もNays2dHも上下流の境界条件以外は常流でも射流でも対応しておりますが、両者ともに境界条件の設定は基本的には常流を対象とした設定となっておりますので、射流に対応するにはソースコードレベルでの修正が必用です。
また両者ともに静水圧を仮定した水深平均モデルですし、流砂の計算も平衡流砂量を用いた計算ですので一般的に橋脚周辺の深掘れを表現するのは無理だと思います。
格子がギザギザと申し上げましたのは固定床・移動床の設定の部分です。
なお、ソースコードの改変を含む各種アドバイスやサポートはiRIC-UC会員向けに行っておりますので、業務でiRICご使用の場合は、是非ともiRIC-UCへの入会もご検討下さい。iRIC-UCのご案内はこちらからです。
https://uc.i-ric.org/
よろしくお願いします。
清水